研究内容

カテーテル治療グループ (虚血性心疾患、末梢動脈狭窄など)

心エコー図検査とは

当科心臓カテーテル班は横浜市北西部の虚血性心疾患患者のみならず、当院が3次救命救急センター併設のため神奈川県他市、東京都、川崎市西部などの救急処置を必要とする冠動脈疾患患者を365日24時間積極的に受け入れています。平成23年度は冠動脈カテーテル治療(PCI)455件、冠動脈造影検査(CAG)502件、末梢血管カテーテル治療(PPI)81件を行いましたが、年々右肩上がりで症例数が増えている状況です。そのような豊富な検査、治療経験を今後のよりよい診断、治療に生かすために、最先端の設備、検査機器を用いて下記のような研究を行い国内外問わず積極的に発表しています。

  1. OCT (光干渉断層法)、 冠動脈CT、VHおよびIB-IVUS(血管内超音波)を用いた冠動脈プラークの研究
  2. pressure wire(圧力センサー付きガイドワイヤー)を用いた至適経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の研究
  3. FMD(血流依存性血管拡張反応検査)を用いた冠動脈疾患患者の血管内皮機能に関する研究
  4. 石灰化プラークに対するロータブレーターの有用性の研究
  5. 急性心筋梗塞患者の予後改善に関する研究
  6. 腎動脈狭窄に対するインターベンション治療に関する研究
  7. 冠動脈疾患患者に対する薬物治療による血管内皮機能の改善効果についての研究
  8. 慢性冠動脈疾患に対する積極的脂質低下療法の研究
  9. 急性心筋梗塞に対する薬物溶出性ステントと従来型ステントの比較研究
  10. 各種薬物溶出性ステントの治療成績の研究

不整脈グループ

藤が丘病院循環器内科は不整脈学会認定不整脈専門医研修施設で、下記の臨床研究を通じ不整脈専門医養成を行っています。不整脈治療は理論と実践が結びつく興味深い分野です。

  1. 難治性不整脈に対する薬物および非薬物治療

    上室性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療の成績向上に関する検討
    発作性心房細動に対するカテーテルアブレーション治療の成績向上に関する検討 持続性心房細動に対するカテーテルアブレーション治療の成績向上に関する検討 心不全を伴った難治性心房細動に対する薬物および非薬物治療に関する検討 難治性心室性不整脈に対する薬物および非薬物治療に関する検討
  2. 心房細動による脳梗塞予防のための適切な抗凝固療法の検討
  3. 両室ペースメーカを用いた心不全治療の有効性に関する検討
  4. 致死性心室性不整脈に対する植え込み型除細動器の適応に関する検討
  5. ペースメーカ植え込み後の心不全発生に関する検討
  6. 植え込み型除細動器治療植え込み例の除細動器作動に関する検討

画像診断グループ

当院は全科から年間約6000件の心エコー検査を施行しています。忙しい日常臨床業務のなか、何とか時間を割いて藤が丘病院らしい臨床に重点を置いた研究をしております。

  1. 単心室、両心室ペーシングによる左室壁運動異常の評価と予後との関連
  2. 3次元エコーを使用した左房サイズと機能の測定。
    各種左房機能指標をもちいた心不全、心房細動発症予測
  3. 心エコー指標の精度管理(検査技師さんとの共同研究です。)

研究の成果は日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心エコー図学会をはじめ、ASE(米国心エコー図学会)、ACC(米国心臓病学会)、ESC(ヨーロッパ心臓病学会)などに発表しています。今後はMRI、CTなど他のModalityで得られる情報との対比も行いながら循環器疾患の診断や治療方針決定に直結する画像情報取得をめざして研究を続けていきたいと考えています。

心血管リハビリテーション・Sports Cardiology グループ

急性期治療後の社会復帰や予防医学に力を発揮するのが心血管リハビリテーション(心リハ)です。運動療法を中心に行い、いわゆる機能回復としてのリハビリだけでなく、疾病の再発予防を目的としています。心肺運動負荷試験(CPX)で運動処方ならびに評価を行っており、心リハ・CPXともに県内有数の診療実績となっています。当科では藤が丘病院・藤が丘リハ病院の連携を生かし、藤が丘病院での急性期治療に続き、リハビリ病院での回復期入院リハおよび外来リハが継続できる診療体制を構築し、社会医学的見地からの本システムの有用性について報告しました(心臓リハビリテーション学会・心臓病学会シンポジウム)。また、臨床研究での心リハによる多面的な臓器保護効果や基礎研究での骨格筋由来幹細胞の特性についての研究を行っており、学会ならびに論文報告をしています(業績参照)。

責任者の礒が、スポーツ運動科学研究所の専任准教授となり、心リハにとどまらないCPXを用いた心疾患患者(成人先天性心疾患含む)のスポーツ活動支援や若年アスリートのcardiovascular health調査にも取り組んでいます。

血管内科・再生医療グループ

当科では心疾患だけなく末梢動脈疾患診療も積極的に行っており、血管内治療(カテーテルグループ参照)ばかりでなく、跛行症状の改善や血管内治療後の2次予防のための血管運動療法(藤が丘リハビリテーション病院)も進めています。

重症虚血肢に関しては、形成外科・内科・血管外科・エコーラボと共同で集学的治療を実践し、下肢救済のための血行再建術や細胞を用いた血管新生治療を実施しております。従来の骨髄や末梢血単核球移植とは異なる次世代型血管新生治療の開発のため、培養した骨髄間葉系幹細胞による心血管再生医療の実験的検討を長年行い、ついに2014年より厚生労働省認可のもと、“自己骨髄間葉系細胞移植による末梢動脈疾患への血管再生治療”の臨床試験を開始しました。

基礎研究として、血管老化・再生のメカニズムや間葉系幹細胞生物学に関する研究を行ない、学会発表や論文報告を行っています(業績参照)。